【コラム】Riyadh Air(リヤドエア)|JeddahからRiyadhへ乗ってみた│2026年搭乗記
Riyadh Air|JeddahからRiyadhへ乗ってみた
Riyadh Air(リヤド・エア/リヤド航空)とは
Riyadh Air(リヤド・エア/リヤド航空)は、サウジアラビアの政府系ファンドPIF(Public Investment Fund)が100%出資し、2023年に設立した新しい国営航空会社です。
その背景にあるのが、石油依存からの脱却を目指す国家改革計画「Saudi Vision 2030」。
観光、物流、航空を新たな成長産業とし、サウジアラビアをアジア・欧州・アフリカを結ぶ世界的な航空ハブへ変えるという壮大な構想の一翼を担っています。
Riyadh Airは2030年までに、Riyadhから世界100都市以上への就航を目標としています。
「サウジにはすでに国営航空会社Saudiaがあるのに、なぜもう一社?」と思うかもしれません。
これはSaudiaを置き換えるというより、JeddahとRiyadhをそれぞれ国際ハブとして育てる国家戦略の一環です。
従来からSaudiaの本拠地であるJeddahに加え、急速に発展する首都Riyadhにも世界規模のハブ航空会社を置き、国際線ネットワークと乗継需要そのものを大幅に拡大しようとしているのです。
その背景には、湾岸地域ですでに成功している「ハブ&スポーク型」の航空ビジネスがあります。
Dubaiを拠点とするEmirates、DohaのQatar Airways、Abu DhabiのEtihad Airwaysは、湾岸都市を中継地点として、欧州・アジア・アフリカを結ぶ巨大なネットワークを築いてきました。Riyadh Airは、これまでDubaiやDoha、Abu Dhabiを経由していた国際旅客の一部をRiyadhへ呼び込み、こうした湾岸の強豪にサウジから挑む存在でもあります。
そして、そのRiyadh Airとセットで進められている巨大プロジェクトが、Riyadhの「King Salman International Airport」です。
既存のKing Khalid International Airportを取り込みながら、最終的には6本の滑走路を備える巨大空港へ発展させ、2030年には年間1億2,000万人の利用を目指します。
つまりRiyadh Airは、Vision 2030の下でRiyadhを世界都市へ変え、湾岸航空ハブの勢力図にサウジが本格参入するための「空の顔」ともいえる存在です。
国家の威信をかけて生まれた新航空会社、Riyadh Air。実際にJeddahからRiyadhまで乗ってみました。
今回搭乗した便
今回利用したのは、Jeddah(ジェッダ)発Riyadh(リヤド)行きの国内線RX010便です。
– 搭乗日:2026年8月30日
– 区間:Jeddah(JED)→Riyadh(RUH)
– 出発予定:10時10分
– 到着予定:11時55分
– 機材:Boeing 787-9
– クラス:Economy
Riyadh Airが新造787-9による本格的な商用運航を始めたのは、2026年6月10日のRiyadh–London線。国内線のRiyadh–Jeddah線は、その4日後の6月14日に就航しました。
初便からは約2カ月半が経過していて就航直後の特別便ではないものの、航空会社としてはまだ走り出したばかりの時期でした。
チェックインから座席指定まで、アプリで完了
座席指定とオンラインチェックインは、Riyadh Airのアプリで特に問題なく完了しました。
搭乗券はApple Walletにも追加できます。
Riyadh Airは「Digitally Native Airline」を掲げていますが、現時点のアプリは他の航空会社でもよく見かける構成です。使いにくさはない一方、これだけで「次世代の航空会社」と感じるほどの違いも、まだありませんでした。

アプリ上でオンラインチェックインが完了
Jeddah空港ではTerminal 1へ
JeddahのKing Abdulaziz International AirportではTerminal 1を利用します。
建物の外にある航空会社案内にも、Riyadh Airのロゴが加わっていました。

King Abdulaziz International Airport Terminal 1
ターミナル内のチェックインエリアではスタッフに、今までのサウジアラビアではあまり印象にない満面の笑顔で迎えられ、新しい航空会社らしい意気込みも感じられました。
Saudiaの向こうに現れたRiyadh Air
搭乗口から外を見ると、手前にSaudia、その向こうに紫の尾翼を持つRiyadh Airの787-9、今後のサウジアラビアを代表する二つの航空会社が並んで駐機していました。

手前にSaudia、奥にRiyadh Air
プレミアムエコノミーを抜けてEconomyへ
機内へ入って最初に目に入ったのは、2-3-2配列のPremium Economyです。
大型のヘッドレストと幅の広いアームレストが付き、各席にクッションも置かれていました。短いフライトでもPremium Economyに乗ってみたいものです。

2-3-2配列のPremium Economy

今回利用したEconomyは3-3-3配列。紫と暖色を組み合わせた照明で、派手すぎず落ち着いた雰囲気です。

筆者の身長は169cmですが、膝前には写真の程度の余裕があり窮屈さを感じることはありませんでした。
IFEはPanasonicの「Astrova」
Riyadh Airの787-9には、Panasonic AvionicsのIFE「Astrova」が搭載されています。Economyの画面サイズは13.3インチで、Bluetoothにも対応しています。
画面下にはUSB-C端子が2口ありますが、従来型のUSB-A端子はありません。

USB-C端子を2口装備。USB-A端子はない
無料Wi-Fiは期待したより遅かった
機内Wi-FiのSSIDは「Sfeer Wifi」。
Riyadh AirのロイヤリティプログラムSfeerの会員は無料で利用できます。
Qatar Airways等が採用しているStarlinkとは異なり、Riyadh Airの初期導入787ではViasatが使われています。
Viasatを使用するRiyadh Airの機内Wi-Fi
通信速度を測ってみました。

Pingは1秒を超えています。メッセージやWeb閲覧には問題なく使えるものの、Starlinkと比べてしまうとどうしても遅延が長く、オンライン会議といった用途には不向きかもしれません。
「Digitally Native Airline」という言葉から期待していたほど快適ではありませんでした。
次のA321ではNSGの「Skywaves」を採用
しかしこれでよしとするRiyadh Airではありません。
実は今後導入するAirbus A321に、787とは異なる通信システムを採用予定です。Neo Space Group(NSG)が提供する「NSG Skywaves」です。
SkywavesはSESのOpen Orbitsを利用し、MEO(中軌道)衛星とGEO(静止軌道)衛星を組み合わせます。
公称速度は最大300Mbps。今回の787で感じた遅延がどこまで改善するのか、気になるところです。
今回Riyadhで訪れたテクノロジーイベント「LEAP 2026」では、偶然にもNSGが大きなブースを出していました。
LEAP 2026に出展していたNeo Space Group
ブースには「A PIF Company」の文字があります。
Riyadh AirもPIF傘下、次世代の機内通信を提供するNSGもPIF傘下です。航空会社だけでなく、そこで使う衛星通信もサウジ国内の産業として育てようとしていることが分かります。
1時間45分の国内線でも機内食を提供
短い国内線ですが、機内食が提供されました。
パン、フムス、サラダ、デザートを組み合わせた軽めの内容です。長距離便のような温かいメイン料理ではありませんが、お腹いっぱいです。
Jeddah–Riyadh線のEconomy機内食
実際に乗って分かったRiyadh Airの現在地
Riyadh Airの787-9は、機材、IFE、機内デザインのどれを見ても新しく、Economyでも新会社らしさを感じられました。Jeddah空港での明るい接客も印象に残っています。
運航を始めてまだ約2カ月半ですが、最新機材を揃えるだけでなく、サービスや運航品質をこれからどう安定させていくのか楽しみです。
がんばれRiyadh Air!がんばれサウジアラビア!
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