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南アフリカ共和国より

ヨハネスブルグ支店 駐在員 石崎 貴寛

ヨハネスブルグ支店は、日系企業の南アフリカ進出がまだ少なかった1962年にいち早く設立されました。南アフリカ共和国ではアパルトヘイト政策、それに伴う国際的制裁等多くの変革が有りましたが、途切れる事無く設立以来58年の長きにわたり、さまざまな製品を南アフリカへ輸出してまいりました。

当支店のあるヨハネスブルグは、南アフリカのビジネスの中心でもあり、かつアフリカ諸国進出へのゲートウェイとして広く知られています。
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南アフリカの常識?

2021-06-05
ジャカランダの木。春頃(10月頃)に満開になります。本文とは関係有りません。
南アフリカでは、まあこういってひとくくりにしてしまってはいけないのかもしれませんが、良く言うとおおらか、悪く言うとテキトーな事が多いです。

例えば、家電設置や電話回線工事等、何かの業者に自宅に来てもらって作業など頼む場合。

日本の場合、10分くらい遅れそうでも、その旨電話で事前に連絡してくる感じです。

私が以前駐在していたシンガポールの場合、連絡無に30分とか遅れてきて、いや~道路が渋滞していて、という感じです。

南アフリカの場合、連絡無にその日に来ない事がしばしばあります。

これは結構普通で、私が経験した中では。

購入したベッドを業者が配送に来たものの、業者が工具を持ってきてなくて組み立てられず、私が貸してあげたり。
>>>何しに我が家に来たんですか?

光ファイバー通信に加入する際に、高価なルーター等据え付けてあとは開通させるだけって時に、「おたくの位置やっぱりサービス対象エリア外だった」と言われたり。
>>>申請時にエリア内って言ってましたよね?あれから1年経過していますが?

車を定期点検に出したら、「私たちのサービス対応はどうでしたか?」と電話がかかってきたり。
>>>車、まだ点検から戻ってきてませんが?

壊れたタブレットの修理、3週間くらい経っても音沙汰無いので問い合わせをしたら、「パスワード教えてくれ」と言われたり。
>>>それ、今聞くんですか?

こういう事が多いので、わざわざ怒っていては憤死してしまいます。またこういう経験を重ねると、次の展開がだんだん読めて来るようになります。私は南アフリカに来て、先を予測する能力と忍耐力が身についたと実感しています。

でも、南アフリカの人々は基本的に親切で、良い人達ばかりです。
こういった対応も、こういうものなんだと割り切ってしまえば、意外に普通に感じてくるもの・・・です。

南アフリカの交通マナー

2021-05-14
悪名高いヨハネスブルグのダウンタウン地区。
南アフリカは治安の悪い国です。
その一方で、国民の交通マナーは非常に良いです。私個人的には、日本よりもずっと良いと感じます。

南アフリカでは、明け方や夕方、もしくは雨が降っている際などは、ほとんどのドライバーがライトを点灯しています。まだ暗くなる前から積極的にライト点灯するというのは、事故を減らす上でもとても有効ですし、良い事と思います。

また、信号が変わっているのに前の車がよそ見をしていて発進しないというような事は、車を運転した事のある人なら経験有ると思います。こういう時、それを知らせる為に軽くクラクションを鳴らす事が有ります。日本ではこれをやると、前の車のドライバーに殴り掛かられたり、あおり運転をされたりしますので、恐ろしくてとても出来ません。

南アフリカではそういう事は全く有りません。クラクションを鳴らすと何事もなくスーッと発進してくれますし、中には後ろの車に向かって、ごめんね、といった感じで窓越しに手を上げるドライバーすらいます。

地方に行くと、都市間を結ぶ国道の、長い片側一車線道路をトラックがゆっくり走っている事が有ります。そんな時多くのトラックが、出来る限り左側へ車を寄せて走り(※南アは左側通行です)、後続の車が抜きやすいようにしています。そんな気遣いを受けながら、追い抜いてからハザードランプを点灯させると(いわゆる「ありがとう」サインですね)、そのトラックがパッパッとヘッドライトを点灯させて「どういたしまして」とサインを出してきます。

また南アフリカでは、信号が破壊されたりして機能していない事が多いのですが、これにはすっかり慣れているドライバーは、スムーズに交差点で行き来します。南アフリカには信号が無い、もしくは機能していない交差点では、ドライバー皆が共有している暗黙のルールが有ります。たまにタイミングがずれても、お互いジェスチャーで先に譲ってあげたりするのです。

①交差点の手前で一番最初に停止した車が優先的に交差点に進入する
②信号が機能していない交差点では、右から順番に交差点に進入する

私は初めて南アフリカに来た時に、このルールはすごい!と素直に感心しました。最初慣れるまでは交差点に進入するタイミングがなかなかつかめず、長縄跳びに入れない小学生のようにずっと待っていましたが、今はすっかり慣れました。

東日本大震災の時、私は日本にいなかったのですが、都内でも信号が停電で機能しなくなった為、車が我先にと交差点に突っ込み、交通が大混乱したと聞きました。日本は非常にインフラが整っているので信号が故障するなど滅多に有りませんから、それが逆に裏目に出てしまった格好です。

と、非常にドライバーの運転マナーが良いので、気持ちよく運転出来ます。

唯一問題なのは、タクシー(日本のタクシーとは違って、ワゴンで多くの人を乗せる輸送サービス)です。彼等はとにかく多くの人を乗せて降ろしてしないと給料に響くようで、とにかく運転は荒っぽいですし、信号は無視する、道路を逆走してくる、一番外側の車線から右折してくる、路側帯を走り続ける、といった行為は日常茶飯事です。

南アフリカの素晴らしいところ

2021-04-16
Cape Pointからの眺め。
前回、南アフリカはとても治安が悪い国と書いて、ネガティブイメージを持たれた方も多いと思いますので、今日は南アの良いところを御紹介します。

①観光資源
私たちが住み、かつ商業の中心地で有るヨハネスブルグにはそれほど無いのですが、南アフリカ全体としてはとても多くの観光地が有ります。

ヨハネスブルグから車で5時間くらいのところにあるクルーガー国立公園。四国と同じくらいの面積を持つと言われる広大な国立公園です。敷地内にはキリンやライオンやゾウ、運が良ければヒョウなども見られます。自分の車でそのまま公園内に入れますし、敷地内のロッジに宿泊する事も出来ます。広大な敷地内を運転していると、目の前をゾウの親子が横切る、なんて風景も見られます。

有名なCape Townは本当に美しい都市です。大西洋とインド洋に面し、Cape Pointというアフリカ大陸の先っぽ(アフリカ最南端はここではなくCape Agulhasという別の小さな町です)から眺める景色はとても素晴らしいです。ケープタウンはワイナリーが多く有り、宿泊施設を併設したワイナリーに泊まって、ワインをたくさん味わう事も出来ます。

またケープタウンから東に行くと、Hermanusというホエールウォッチングで有名な町も有ります。インド洋側の都市Durbanは、サーファーがよく訪れる場所だそうです。

②食べ物
南アフリカの食べ物は本当においしいです。ステーキが有名ですが、ちゃんとしたレストランでステーキを注文しても、日本のファミレスよりちょっと高いくらいです。まあ量が多い(300gが普通)ので、グラム単位で見たらファミレスより安いかもしれません。

スーパーで販売されている野菜、果物、牛乳等も新鮮でおいしいです。また文化的には欧州の影響が有るので、豊富な種類のチーズがスーパーで買えます。

南アの特産品として有名なワインはもちろん言うまでも有りません。私はあまりお酒を飲めないのですがお酒自体は好きです。全くワインの味の違いが分かりませんが、スーパーで売っている1本300円くらいのワインで十分満足です。

③スポーツ
私は家族の影響もあり、南アでテニスを少しやるようになりました。日本への一時帰国の際に、自宅近くで家族でテニスでもしようとテニスコートを予約しようとしたら全く予約が出来ず、驚いた事が有ります。南アでは多くのテニスコートが有り(自宅敷地内に有るケースも)、またゴルフ場に併設されている事も多く、安く借りる事が出来ます。

Gary Playerのような世界的ゴルファーを輩出した南アだけに、ゴルフ環境も非常に整っています。私たち日本人駐在員が住んでいる地区は比較的商業の中心地に近いのですが、車で30分以内の場所に多くのゴルフ場が有ります。歴史の有る名門コースでも費用は非常に安く、メンバーでなくても4,000円くらいでプレー出来ます。

日本ではゴルフというとお金がかかって一日仕事なイメージが有りますが、南アでは朝早くにスタートすれば、12時前に自宅に帰る事も可能です。ゴルフに対して敷居が低いので、私のような壊滅的なスコアを出すプレーヤーや、小学生くらいの子供も楽しくラウンドしています。

日本ではなじみが薄いですが、ラグビーやクリケットは、道具が普通のスポーツショップで販売されているぐらい、南アの人たちには一般的なスポーツです。

また私はアイスホッケーというちょっと変わったスポーツをやっているのですが、南アはこのスポーツに関しては知名度は低く、まだ発展途上です。アイスホッケーは当然スケートリンクが無ければ練習も試合も出来ず、環境にはいつも苦労します。以前駐在していたシンガポールでは、国内にスケートリンクゼロという時期が有りました。

ヨハネスブルグ近郊には設備の整った、アイスホッケーが出来る国際規格のスケートリンクが4か所もあります。チームが少ない事も有りますが、練習も試合もとても良い時間帯で行われています。日本の首都圏ではスケートリンク閉鎖が相次ぎ、深夜に練習・試合をやっていた事を考えるとかなり恵まれています。

という事で、治安が極度に悪いのはマイナスでは有りますが、かといって毎日暗澹とした気持ちで暮らしているわけでは有りません。

南アフリカの治安

2021-03-27
倒れた信号機。こんな感じでしばしば信号機が破壊されています。中の電線とかを盗むのだそうです。
日本では、「修羅の国」とか「リアル北斗の拳」(知らない方はグーグル先輩に聞いてみて下さい)等と言われている南アフリカ。

さすがにそれは少々大げさですが、まあ全面的に間違っているわけでも有りません。

南アは人口約5500万人にたいして殺人件数が年間約21,300件、対して日本は人口約1億2500万人に対して殺人件数は年間約950件くらいだそうです。単純計算で、南アでは毎日約58名の方が不幸にも殺されてしまっている事になります。強盗、空き巣、ひったくり、車両強盗に至っては年間約470,000件だそうで、毎日1,280件以上という事になります(数字は昨年の両国の犯罪統計資料を参照)。

こういう国ですので、日本とは全く違った生活スタイルとなります。

基本的にショッピングモール内を除き、外を歩く事はほとんど有りません。自動車に乗ったら最初にまずドアロックをします。ドアロックをしていても、信号待ちで停車中に窓ガラスを叩き割られ、助手席や後部座席に置いてあるバッグを強奪されるという事はよく有ります。なので、暑い時期でも窓ガラスを開けて運転する事はほとんど有りません。私は信号待ちの際に、2台前に止まっていた窓ガラス全開の車が、近寄ってきた男にバッグを強奪される現場を見た事が有ります。

こんな事が白昼堂々起こりますので、夜の運転はなおさら警戒しなければなりません。

セキュリティに関しては、多くの日系企業もそうですが、会社に万全の体制を取ってもらっています。セキュリティでケチってはいけません。住んでいる家は電気フェンスで取り囲まれていますし、何かあれば武装したスタッフが5分以内に駆けつけるセキュリティ会社と契約をしています。そんなわけで幸いにも、今まで大きな犯罪に巻き込まれた事は有りません。

アメリカの犯罪都市や中南米の国なんかでも恐らく似たような感じなのではと想像しています。行った事は有りませんが。

と、マイナス面ばかりでは有りますが、もちろん南アフリカにも良いところはたくさんあります。
次回はそのあたりを紹介します。

COVID-19(新型コロナウイルス)

2021-03-05
ロックダウン中の酒屋。襲撃されないよう看板を隠しています
今日3月5日は、南アフリカで新型コロナウイルス感染者第1号事例が確認された日です。当時既に日本も含めたアジアでは感染拡大が進んでおり、アジア人差別なんて話も有りました。

今でもよく覚えているのはこの日車を運転中に、ラジオのDJが「感染者第1号が確認されましたが、新型コロナウイルスに感染しているものと誤解されるので、マスクは着けない方が良いです」と言っていた事です。当時南アフリカでは、マスクを着けている人がほとんどいなかった為、逆に目立つからという事だったのでしょう。

あれからちょうど1年。

そんな話がまるで遠い昔のようです。現在南アフリカでは公共の場でのマスク着用が法律で義務付けられています。

その後3月26日から4月30日の間は、世界でも最も厳しい部類と言われたロックダウンが施行されました。基本的に外出禁止とされたこのロックダウンは、欧州でのものと基本的には同じだったのですが、南アフリカの場合、ただでさえ治安が悪いのに、更なる悪化が懸念された事です。日本人だけでなく多くの在留外国人が、チャーター便を使って母国へ退避していきました。

実際にロックダウンが始まってみると、休業中の酒屋が襲撃されたり、誰もいない学校が襲撃され備品を強奪されたりといった話は相当数聞きました。治安維持の為軍隊や警察が出動していましたが、彼等の行き過ぎた取り締まりで命を落とした市民もいました。治安部隊に危害を加えらえる可能性もあったので、私自身も週1度の食材の買い物以外は外出しませんでした。

南アフリカはその後、最悪期には20,000人/日の感染者を出し、感染者数世界ワースト5位まで行きました。変異種で今も悪目立ちしていますが、現在国内は現在感染者数は1,000人台、日によっては1,000人を切る事も有ります。生活も一部夜間外出禁止令は残っていますが、ほぼ平常を取り戻しています。

3~4月のロックダウンの時には、確かに精神的にも大変ではあったのですが、今では、あんな事もあったな~という感じです。
来年の今頃には、新型コロナウイルスの時は大変だったよね~と、過去の事として話せる事を祈っています。
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