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南アフリカ共和国より

ヨハネスブルグ支店 駐在員 渕岡 圭一

ヨハネスブルグ支店は、日系企業の南アフリカ進出がまだ少なかった1962年にいち早く設立されました。南アフリカ共和国ではアパルトヘイト政策、それに伴う国際的制裁等多くの変革が有りましたが、途切れる事無く設立以来60年の長きにわたり、さまざまな製品を南アフリカへ輸出してまいりました。

当支店のあるヨハネスブルグは、南アフリカのビジネスの中心でもあり、かつアフリカ諸国進出へのゲートウェイとして広く知られています。
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南アフリカの治安

2021-03-27
倒れた信号機。こんな感じでしばしば信号機が破壊されています。中の電線とかを盗むのだそうです。
日本では、「修羅の国」とか「リアル北斗の拳」(知らない方はグーグル先輩に聞いてみて下さい)等と言われている南アフリカ。

さすがにそれは少々大げさですが、まあ全面的に間違っているわけでも有りません。

南アは人口約5500万人にたいして殺人件数が年間約21,300件、対して日本は人口約1億2500万人に対して殺人件数は年間約950件くらいだそうです。単純計算で、南アでは毎日約58名の方が不幸にも殺されてしまっている事になります。強盗、空き巣、ひったくり、車両強盗に至っては年間約470,000件だそうで、毎日1,280件以上という事になります(数字は昨年の両国の犯罪統計資料を参照)。

こういう国ですので、日本とは全く違った生活スタイルとなります。

基本的にショッピングモール内を除き、外を歩く事はほとんど有りません。自動車に乗ったら最初にまずドアロックをします。ドアロックをしていても、信号待ちで停車中に窓ガラスを叩き割られ、助手席や後部座席に置いてあるバッグを強奪されるという事はよく有ります。なので、暑い時期でも窓ガラスを開けて運転する事はほとんど有りません。私は信号待ちの際に、2台前に止まっていた窓ガラス全開の車が、近寄ってきた男にバッグを強奪される現場を見た事が有ります。

こんな事が白昼堂々起こりますので、夜の運転はなおさら警戒しなければなりません。

セキュリティに関しては、多くの日系企業もそうですが、会社に万全の体制を取ってもらっています。セキュリティでケチってはいけません。住んでいる家は電気フェンスで取り囲まれていますし、何かあれば武装したスタッフが5分以内に駆けつけるセキュリティ会社と契約をしています。そんなわけで幸いにも、今まで大きな犯罪に巻き込まれた事は有りません。

アメリカの犯罪都市や中南米の国なんかでも恐らく似たような感じなのではと想像しています。行った事は有りませんが。

と、マイナス面ばかりでは有りますが、もちろん南アフリカにも良いところはたくさんあります。
次回はそのあたりを紹介します。

石﨑 貴寛

COVID-19(新型コロナウイルス)

2021-03-05
ロックダウン中の酒屋。襲撃されないよう看板を隠しています
今日3月5日は、南アフリカで新型コロナウイルス感染者第1号事例が確認された日です。当時既に日本も含めたアジアでは感染拡大が進んでおり、アジア人差別なんて話も有りました。

今でもよく覚えているのはこの日車を運転中に、ラジオのDJが「感染者第1号が確認されましたが、新型コロナウイルスに感染しているものと誤解されるので、マスクは着けない方が良いです」と言っていた事です。当時南アフリカでは、マスクを着けている人がほとんどいなかった為、逆に目立つからという事だったのでしょう。

あれからちょうど1年。

そんな話がまるで遠い昔のようです。現在南アフリカでは公共の場でのマスク着用が法律で義務付けられています。

その後3月26日から4月30日の間は、世界でも最も厳しい部類と言われたロックダウンが施行されました。基本的に外出禁止とされたこのロックダウンは、欧州でのものと基本的には同じだったのですが、南アフリカの場合、ただでさえ治安が悪いのに、更なる悪化が懸念された事です。日本人だけでなく多くの在留外国人が、チャーター便を使って母国へ退避していきました。

実際にロックダウンが始まってみると、休業中の酒屋が襲撃されたり、誰もいない学校が襲撃され備品を強奪されたりといった話は相当数聞きました。治安維持の為軍隊や警察が出動していましたが、彼等の行き過ぎた取り締まりで命を落とした市民もいました。治安部隊に危害を加えらえる可能性もあったので、私自身も週1度の食材の買い物以外は外出しませんでした。

南アフリカはその後、最悪期には20,000人/日の感染者を出し、感染者数世界ワースト5位まで行きました。変異種で今も悪目立ちしていますが、現在国内は現在感染者数は1,000人台、日によっては1,000人を切る事も有ります。生活も一部夜間外出禁止令は残っていますが、ほぼ平常を取り戻しています。

3~4月のロックダウンの時には、確かに精神的にも大変ではあったのですが、今では、あんな事もあったな~という感じです。
来年の今頃には、新型コロナウイルスの時は大変だったよね~と、過去の事として話せる事を祈っています。

石﨑 貴寛

南アフリカの恒例行事?

2021-01-18
こんな感じでヨハネスブルグは晴天の日が多いです
南アフリカでは、日本ではあまり経験しない、恒例行事と言えるものがあります。

それは、「停電」です。

南アフリカでは、電力の需要増に供給量がなかなか追いつかず、かつ発電所設備の老朽化等の問題が有り、しばしば電力使用量を下げる為の計画停電が発生します。

これは、地域を分けて輪番制で停電を実施するもので、現在はだいたい4時間30分程度が一区切りとなっています。先週木曜日から本日まで、計画停電が続いています。政府はこの計画停電が今後数年は続くものと予測しています。

南アフリカでは、この計画停電実施地域・時間を知らせるケータイアプリが有り、これをダウンロードしていないと大変な目に遭います。仕事中にいきなりパソコンの電源が落ちて必死に作ったデータが消えてしまったり、料理中(南アフリカはいわゆるコンロはガスでは無く電気が多いです)のステーキ肉がレア一択になったりします。

ですので常に、このアプリで自分の住む地区、事務所のある地区の計画停電有無を気にしています。

但しこのアプリを信頼しすぎると、たまに「計画ではない停電」が発生します。これは突然来て、いつ終わるか分からないので本当に困ります。朝起きたら停電していて、夜寝るまでずっと停電だったという事は一度や二度では有りません。この、「計画ではない停電」が発生すると、電力会社のTwitterが大量の苦情コメントで荒れに荒れます。

また停電ほど頻度は高くないのですが、「断水」もしばしば発生します。これも設備の老朽化が原因と思われます。

停電と断水、どちらがよりつらいかという話ですが、両方経験した立場からすると、断水の方がつらいと感じます。断水の場合、シャワーを浴びられず、手も洗えず、料理が作れず、食器が洗えず、トイレも流せません。ショッピングモールに行っても、断水中につきトイレ使用禁止とか貼り紙がしてあったりします。

そんな状況で、近所の水道管がバーストしたのか、水が勢いよく噴き上がっている光景などを見ると、オイ!とツッコミを入れたくなります。

石﨑 貴寛
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